サバイバー SURVIVOR

2017/09/26公開

本体名:グッチョ

懲罰房棟の囚人

能力:周囲の人間を怒らせ、乱闘させる

スタンド形成法射程距離パワー
能力顕現体 数10m以上最弱

当ページの要点

  • ジョジョ6部の主舞台であるグリーン・ドルフィン刑務所には特殊な力が宿っている。
  • それはこの土地の重力の弱さと罪人たちの魂のパワーによる「宇宙の縮図」としての力場である。
  • 人を苛つかせる才能に長けた本体グッチョは「宇宙の縮図」で、「ビッグバン」としてのスタンド能力を与えられる。
  • その能力は、周囲の人間の「怒り」を爆発させ、リミッターの外れた怪力で乱闘させることである。

「始まり」を起こす起爆剤

ビッグバン理論によるとこの宇宙はかつて「無」であり、そこから「有」となって宇宙が始まったとされる。そして宇宙が始まる前の無は、ジョジョでは「特異点」と呼ばれる。

この特異点とは「何も存在しない無」ではない。そこには少なくともエネルギーは存在している。ただそのエネルギーは互いに穏やかに打ち消し合うだけで、いかなる「有」にも変わることはない。つまり特異点とは「何も生み出されない場所」である。

しかしある時ビッグバンなる大爆発が起こってジョジョの宇宙は創造された。そしてそこでの膨大なエネルギーも無から生じたわけではない。何らかのきっかけが特異点内に満ちていたエネルギーを刺激し、加熱させたのである。

それは感情の高まった人間が爆発的なエネルギーを肉体から引き出せるのと似ている。ここでの肉体のエネルギーも無から生じるわけではなく、何かのきっかけが人間の精神を強く刺激し、その刺激が神経を伝わって全身の細胞を加熱させるだけである。

スタンド解説

■「ホワイトスネイクのDISC」によりグッチョに与えられ、グリーン・ドルフィン島内でのみ効力を維持できる特殊なスタンド能力。グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所は、外界から隔離された環境のなか、強い魂のパワーを持つ罪人たちが集う場所であり、また地球上で最も引力が弱く宇宙に近いケープ・カナベラルの一帯に位置する場所でもあるため、神秘と力を宿し「宇宙の縮図」としての力場を発生させている。(ちなみにこの刑務所は別名「水族館」とも呼ばれ、これは即ち「海の縮図」である) 

■そしてこの刑務所の囚人にして、人を苛つかせる才能に長けた本体グッチョは、この「宇宙の縮図」の中において、「ビッグバンの縮図」としての能力を与えられる。

■サバイバーは作中でDIOが語っていたように「最も弱いスタンド」である。それが起こせるエネルギーはほんの僅かで、人間の神経細胞を弱い電気信号で刺激することしかできない。(その電圧は作中によると0.07ボルトである) しかしサバイバーはその極小のスタンドエネルギーで他者の大脳辺縁系を刺激し、他者の怒りを爆発させることを可能としている。

■サバイバーが他者を「怒らせる」には、まずグッチョが自分の心身を怒りで満たし、次いでそれを周囲の空間に伝播させ、領域内の他者をも怒らせるという過程が必要となる。そしてこの際には周囲にある「水」が重要な役割を果たし、サバイバーは周囲が「水浸し」でないと十分な効果を発揮できない。

■サバイバーは小さく弱々しいスタンド像が大量に集合した群体型のスタンドである。それは人の神経細胞内と水の中でのみ存在を維持でき、それらの中を伝わり、また周囲に自らの姿を「転写」して増殖する。その姿は円を描いた紐のような形状をしており、大きさはさまざまだが最大直径は10cm程度で、地面や床面を滑り動く。また紐は円の内側にも不規則な紋様を作り、そして直径が大きなものは中央あたりに紐が塊になった不気味な顔が形成されている。

■そして水浸しの環境下でのサバイバーは、地面・床面の水の中を増殖しながら広まって、その範囲を弱々しくも確かな力場で包み込み、そこから他者の脳内にまで入っていく。その際には、対象の肉体が濡れていれば直接伝導できるのはもちろん、対象が防水性のブーツを履いていたりしても、サバイバーは地面・床面の力場から足の神経細胞の中へと転写され、脳へと移動できる。

■そして大脳辺縁系に到達したサバイバーは、そこで「闘争本能」と「怒り」を強力に呼び覚ます。この結果サバイバーの射程内にいる全員は、自分の肉体を煮えたぎらせる怒りのエネルギーと、他者を打ち負かしたい欲求に心を支配され、乱闘を始める。(ただグッチョ自身はこの能力への耐性があるのか、乱闘に加わることはない) 

■こうして戦い始めた者たちは、普段人間が自分の肉体を守るために無意識的にかけているリミッターが完全に外れており、全身の筋力を限界まで酷使して人間離れした怪力と動きを見せる。また彼らは、自分が繰り出す拳や蹴りのパワーで自分の皮膚が裂けようと骨が折れようと、また相手からの攻撃を食らって同じことが起ころうと、全く躊躇せずに戦い続ける。彼らの体内には闘争本能によって、痛覚の麻痺物質であるアドレナリンも大量に分泌されており、よほどのことがなければ痛みは感じない。

■またサバイバーが水浸しの場所に作り出す力場は、そこで戦う人間の筋肉などから引き出される力の強さに比例して、その肉体部位を光らせもする。この光はサバイバーの影響下にある者全員に見ることができ、つまり戦う者同士は互いの肉体が最も強く美しく輝く「長所」と、深いダメージを負って光が消え、相対的にどす黒くなった箇所を見ながら戦える。

■なおサバイバーのスタンドDISCは、1982年にフランスのロレーヌ地方にいた山小屋の主人(氏名不詳)から抜き出されたものである。そして山小屋の主人とグッチョのスタンドは、スタンド像も能力も全く同じである。

■DISCのスタンド能力は本来の持ち主こそが100%の力で扱えるものであり、他者に差し込んでも普通能力は弱くなる。そしてホワイトスネイクの本体プッチ神父はこれを回避するため、「DISC」と「それを与える者」の組み合わせを工夫して「宇宙の縮図」に適合した能力へと変質させることで、強力な能力を実現している。

■一方でサバイバーでは能力の変質は行われておらず、また能力が弱くなってもいない。この理由はサバイバーの能力が「無を有に転化する」根源的な法則に立脚しているためである。山小屋の主人の元で「怒りのエネルギーを呼び覚ます」原始的な能力であったそれは、グッチョの元では宇宙の始原である「ビッグバンの縮図」として成立している。これによってグッチョのサバイバーは能力の低下を補い、全く同じ効果を発揮できるのである。

内部リンク

『メイド・イン・ヘブン』
ホワイトスネイクの本体プッチ神父がDIOの残した計画を完遂することで発現したスタンド。時の流れを加速させ、宇宙の一巡を引き起こすこのスタンドは、そのさなかに「特異点」を通過する。
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