ハイウェイ・スター HIGHWAY STAR

2017/03/01公開

本体名:噴上裕也 <フンガミ・ユウヤ>

暴走族の少年

能力:スタンド使いから養分を奪い、本体の負傷を癒やす

スタンド形成法射程距離パワー射程・パワー増加法
身体・能力顕現体
+α(本文参照)
杜王町内 全操作分離

当ページの要点

  • 杜王町という土地には、「知性」という力が大地に長年留まり続けて生じた意識体が存在する。
  • この意識体のうち大地の表層部分は、地上に生きる「人間の肉体」を強く記憶する機能を持つ。
  • ハイウェイ・スターの人型スタンドは、大地の表層に宿る「人体の記憶」に大きく依存して形作られている。
  • 瀕死の本体から発現したハイウェイ・スターは、自身の「エネルギー的なマイナス」を埋めるべくスタンド使いから養分を奪おうとする。

知性の大地とその表層

ジョジョの世界には、世界をあまねく満たし、物質や生物に宿っている霊的な力である「知性」なるものが存在する。この知性はそれが宿った物質・生物の構造などを情報として「記憶」し、またその情報を周囲に信号として「発信」する性質を持っている。

そしてこの知性は、人々が集まり、住まい、社会を形成する土地の「大地」の中に、その土地固有の巨大な意識体を生じさせる。この「知性の大地」は、過去にその土地に生きた者たちの生活習慣・しきたり・精神性といったものを記憶しており、そしてその情報を今現在その土地に生きる者たちに発信し続ける。この影響によりその土地の住人は無意識的に、その土地で受け継がれてきた精神性に従う傾向が強くなる。またその影響力は、大地に生える「木」のように先祖代々その土地に「深く根ざす者」ほど大きくなる。

こうしてその土地は緩やかにしかし確実に、この「知性の大地」にして「大地に根ざす者たちの隠れた領主」である存在、「木と土の王」の力に治められていく。

ただし「木と土の王」のうち、上記のような「頭脳」的役割を果たすのは大地の奥深くの部分であり、大地の表層部分はまた違った機能を持っている。そこは生物の皮膚感覚のように、より即物的に「人間の肉体」を感じ取り、記憶している。また人体の中でも特に地面に近く、大地を踏みしめる「足の形」は、「活動する人間の象徴」として一層強く記憶されている。

スタンド解説

■バイク事故を起こして瀕死になっていた暴走族の少年、噴上裕也が「矢」で射られて発現させたスタンド能力。そのスタンド体は「足跡型」と「人型」の2つの形態を持つ。足跡型は、2〜3cmの厚みを持った足跡の形状をしており、その体色は均質に黒ずみ、そしてこれが100体以上集まって成る群体型スタンドである。一方の人型は、足跡型が円盤型に変形しながら積み重なることで形作られる。その姿は、足跡型と同じ皮膚色をした裸の人間の姿で、体表には人間の形状を保持するかのように白いロープ状のものが巻き付いて、全身に菱型の模様を形作っている。

■杜王町の大地に空けられた大きな穴である「二ツ杜トンネル」で発現したこのスタンド能力は、噴上裕也を本体とすると同時に、杜王町の大地に宿る「知性」という力が作り出す意識体、「木と土の王」とも深くリンクしている。そしてこの意識体の表層部分が記憶する「人間の肉体の記憶」と、事故で死にかけていた噴上裕也とが組み合わさった結果、ハイウェイ・スターは1つの異様な性質を獲得する。その性質とは、スタンド体が「マイナスの生命エネルギー」を持つことである。

■仮に本体の生命エネルギーを数値化するとして、全く負傷していない時を100、瀕死の時を10とする。本来なら本体が瀕死であれば、人型スタンドも同じ負傷状態、10の生命エネルギー値で出現する。しかしハイウェイ・スターは大地の表層が宿す人体の記憶により、常に生命エネルギー値100の時の姿、負傷していない姿を保っている。その差分である90は記憶だけで作られた空っぽの器であり、それをこのスタンドは「マイナスの生命エネルギー値」として持つことになる。さらにこれによってこのスタンドは、「プラスの生命エネルギーを持つ者」と重なることで、そのエネルギーを吸収する体質も持つことになる。

■ハイウェイ・スターには本体の無意識と「木と土の王」の意識が混ざりあった「本能」が宿っている。そしてこの本能は自身の生命エネルギー値のマイナスが強いほどにハングリーさを増し、生者の肉体に食い込みそのエネルギーを奪って、マイナスを埋めようとする。食い込まれた生者は生命力・気力・精力などのエネルギーを急速に奪われ、10秒程度で身動き一つ取れないほど衰弱してしまう。(この時その生者の肉は、色を抜かれたかのように半透明化して、中の骨が透けて見える) 

■ただし吸収したエネルギーのうち、スタンド体であるハイウェイ・スターに有用なのは「スタンドエネルギー」のみである。他のスタンド使いからスタンドエネルギーを「養分」として吸い取って初めて、ハイウェイ・スターは自身のマイナス値を「埋める」ことができる。そしてこのスタンド体のマイナス値が減ると、その量に応じて本体噴上裕也の負傷も急速に治癒していく。(ちなみに瀕死の噴上裕也がこの能力で全快するには、スタンド使い4〜5人分の養分が必要らしい) 

■このスタンドが生まれた「二ツ杜トンネル」の中は、杜王町の「大地の表層」であると同時に、杜王町の大地に囲まれることで「大地の深奥」に近い性質も持っている。それはまるで人体において、鼻の穴の奥の皮膚が脳に隣接しているかのようである。それゆえにこのトンネル内でのハイウェイ・スターは、「木と土の王」の頭脳的側面の影響を強く受け、高い知能を発揮する。そして彼はトンネルの壁の中に1つの「部屋」を作り出し、その中で獲物となるスタンド使いが訪れるのを待ち受ける。

■ハイウェイ・スターが作り出す部屋は六畳ほどの広さを持ち、それがトンネル内の壁に埋まるように存在する。(その部屋は現実世界には存在しない「幽霊」のような空間であり、これと同種のものはジョジョ作中にたびたび登場する) 室内のトンネル側の壁には扉と窓が1つずつあり、室内には一通りの家具があり、ハイウェイ・スターはその一つである大きな衣装箪笥の中に潜んでいる。

■ハイウェイ・スターが滞在するために作られたこの空間は、(鼻腔の奥にある脳のような)「木と土の王」の頭脳の一角であり、そしてスタンド使いをおびき寄せるための「罠」としても機能する。スタンド使いがトンネルを通り、この部屋を見つけると、部屋の中にはそのスタンド使いを引き寄せるのに適した「幻覚」が、「木と土の王」の記憶情報から引き出され、描き出される。そしてスタンド使いがこの部屋に入ると、ハイウェイ・スターはそれを合図にその者の「匂い」を記憶した上で、襲いかかり、養分を奪う。

■しかしもしスタンド使いが罠の部屋から逃げ出した場合、ハイウェイ・スターは足跡型の姿で、スタンド使いを猟犬の群れのように追いかけ始める。そしてその際トンネルから離れたハイウェイ・スターは、「木と土の王」の頭脳とのリンクが弱まって知能が大きく低下し、覚えた匂いを何も考えずに追いかけることしかできなくなる。

■つまり追跡中のハイウェイ・スターはいわゆる「遠隔自動操縦型」のスタンドとなる。ただしそのパワーは(肉体に食い込む時以外は)かなり低い。また噴上裕也はこのスタンドの状況を知ることは当然できないが、自分の肉体の回復具合から推し量ることは可能である。

■杜王町の「大地の表層」とリンクしているハイウェイ・スターは、杜王町の全域を射程圏内とし、地面を蹴り進んで走行する。その走行速度は最大で時速60km(100mを6秒)に達し、これに追いかけられるスタンド使いはバイクなどを使わなければ簡単に追いつかれてしまう。

■ちなみにこの時速60kmという速さはおそらく、人間やチーターの限界走行速度がその肉体構造に依存するのと同じく、ハイウェイ・スターの構造とパワーに依存したものである。足跡型のスタンドの群れは、互いに引力を働かせてゆるやかな一つの塊となって走行し、一つの足跡が地面を蹴るとそれは塊全体を前方に押し出す力となる。ハイウェイ・スターはパワーが低いながらも多数の足で常に連続して地面を蹴り出せるため、その走行速度は人間より速くなる。その結果としての限界が時速60kmというわけである。またこれに関連してハイウェイ・スターは、人間と同じく静止状態からの走り出しでは、最高速に達するまでに数秒を要する。

■また追跡の際にハイウェイ・スターは、「罠の部屋」で記憶した相手の匂いを、スタンド体だけでなく「大地」からも大ざっぱだが感知できる。このため追跡している相手がハイウェイ・スターを大きく引き離した場合には、大地の方で相手の現在位置を大ざっぱに把握し、スタンドを一度引っ込め、相手の周辺に再出現させることができる。(このような「スタンドのテレポート」は杜王町の大地とリンクしているがゆえに可能な芸当であり、一般的な遠隔型スタンドには同じことはできない) このテレポート時の相手との距離の誤差は、おおよそ10m以内のようである。

■追跡中のハイウェイ・スターはそのパワーの低さゆえに、障害物を破壊したり透過したりはできず、厚手のガラス程度で簡単に移動を阻まれてしまう。一方でスタンド使いの肉体に触れてからであれば、鼻先にある養分への飢えが勝り、力任せに透過して肉体に食い込んでくる。さらに肉体の各所から食い込んだ足跡型のスタンド群が肉体内で人型へと変われば、肉体を挟み込んで貫通するように人型になることができ、より強力に食い込んだ状態を維持できる。とはいえやはりこの「物質に重なった状態」にはかなり無理があり、スタンド使いがその状態から時速60km以上で離れれば、ハイウェイ・スターはたやすく引っこ抜けてしまう。

■なおハイウェイ・スターは、スタンド使い「本体」からはスタンドエネルギーを問答無用で奪えるが、スタンドエネルギーを固めた「スタンド体」からは養分を奪えず、スタンド体からの攻撃もそのまま受けてしまう。ただし、本体が瀕死の時に発現したハイウェイ・スターは、本体にほとんど負荷を与えないように形成されている。前述したようにその姿は杜王町の大地に記憶された人体の記憶情報に大きく依存して作られ、このためハイウェイ・スターが敵スタンドから殴られたりしても、その衝撃はほとんどがそちらで肩代わりされる。これに加えてハイウェイ・スターは衝撃を受けると簡単に輪切りになってバラけ、これによって衝撃の大半は受け流される。これは相手スタンドの「能力効果」を受けた場合も同様である。これらの性質によってハイウェイ・スターは、本体を安静な状態に保ったままスタンド使いを活発に襲うことができる。

■そしてハイウェイ・スターは本体の負傷が完全に癒えた後も、そのままの姿で使用可能である。ただしマイナス値を持たなくなったそのスタンド体は養分を奪う性質を失い、また本能的なハングリーさも失われている。このため自動操縦での追跡能力は大きく低下してしまっている。代わりにハイウェイ・スターは本体の意志で操作する遠距離型スタンドとして、本体またはスタンドが記憶した匂いを追跡する。その射程距離は数100mほどと見られる。

■また本体が操作するハイウェイ・スターは普通の人型スタンドのように、他の物体を殴るなどして攻撃することもできる。ただしその体は前述したとおり衝撃を受けると簡単にバラけてしまうため、本体の強い意志で腕がずれ動くのを抑えた上で殴らなければならない。そしてそれでもその攻撃力はせいぜい、生身の人間が負傷を恐れず全力で殴る程度である。

■本体の噴上裕也はこのスタンド能力の影響によって、もともとそれなりに良かったらしい嗅覚がさらに鋭くなっている。そして彼の嗅覚は、「物理的な嗅覚」と「知性信号の受信による嗅覚」の複合として発揮される。

■知性信号による嗅覚は、物体から放射されている知性信号の内容を、物理的な匂いと同じく鼻の奥で受容・分析することで行われる。(これは人間の「魂」が肉体と同じように形作られているがゆえである) 知性信号による匂いは物理的な匂いと違い、空気の流れで方向を惑わされることがなく、放射源の方向や位置をかなり正確に特定できる。ただしこの嗅覚をもってしても、放射源が何10mも離れていればそれを直接見つけるのは難しくなり、その場合には放射源が移動する際に地面に放射していった知性信号の痕跡を辿る必要がある。

■ちなみに噴上裕也は甘いマスクを持つナルシストであり、そして仲間と群れることで自分の存在を確立するタイプの人間である。彼は自分の弱さやだらしなさも構わず仲間に晒して、共依存的な関係を築いている。また彼はそのための技能として空気を読むなどの分析能力に自然と長け、優れた嗅覚もその一面である。

■そして彼は、自分のそのような性格を肯定していると同時に、仲間に誠実であろうと努め、仲間が危険な時には命をかけても守ろうとする。そのように格好良く振る舞うことが彼の理想であり、美学なのである。

内部リンク

『神拒む治外法権「杜王町」』
「木と土の王」が噴上裕也に非常に協力的な理由について。
『バイツァ・ダスト』
杜王町に巣食う殺人鬼である吉良吉影のスタンド「キラークイーン」が、「木と土の王」とリンクして生まれた能力。「過去」を爆破することで時間を1時間戻すことができる。
『クレイジー・ダイヤモンド』
壊れた物質や負傷した生物を「修復」できるスタンド。その修復にあたっては「木と土の王」から大量の記憶情報を吸い上げて情報を増幅する必要があり、「人体」を治す時には当然人体の記憶情報が吸い上げられる。
『ハーヴェスト』
甲虫のような姿を持つ数100体の小型スタンド群。「知性の嗅覚」によって小銭などを探すことができる。そのためか彼らの鼻は結構大きく立派に形作られている。
『「無敵の遠隔自動操縦」という分類』
「遠隔自動操縦は本体に影響がない」とされている理由について。
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