スタンドのルールに備わる必然性

■ジョジョの奇妙な冒険第3部から登場する「スタンド」は、生物に宿る「生命エネルギー」を用いた超能力である。それは人の形や炎の姿などをとって現実世界の物質に作用し、物質を破壊したり燃やしたりできる。

■スタンドは物質よりも自由に振る舞い、物質では不可能な現象も起こせる。しかし望みさえすれば何でもできる力というわけではない。スタンドにも物質同様「ルール」は存在し、その範囲内のことしか実現できない。

■物質的な力が物理法則に縛られ、また理論的に説明可能なものであるように、スタンドを作り出す生命エネルギーもそれを支配する法則に縛られ、また理論的に説明可能なものなのである。

■では以下に、作中で言及された「スタンドのルール」と、そのルールがどのような理由によるものかを説明していく。

スタンドはスタンド使いにしか見えない

初出は3部1話「悪霊にとりつかれた男」。スタンドという超能力を得た者は、それと同時に肉体に宿る「魂」がスタンドを知覚できるようになる。そして生命エネルギーのみから作られた(つまり物質と融合していない)スタンドはこの知覚能力を持つ者にしか見えない。

これはスタンドが霊的に発する「音」も同様である。例えば5部104話「ぼくの名はドッピオ その2」では、一般人のふりをしていたドッピオが、戦闘機型スタンド「エアロスミス」のエンジン音に反応したためにスタンド使いだとバレている。

本体が弱ればスタンドも弱まる

初出は3部3話「悪霊 その正体!」。スタンドは本体の精神力の強さで操られ、そして精神は肉体を土台としている。このため肉体の負傷などで本体の精神力が弱まれば、スタンドのパワーも弱まり、本体が意識を失えばスタンドは引っ込む。(なお初出の回での承太郎は呼吸が苦しくなっただけでスタンドが引っ込んでいたが、これはまだスタンドを扱い慣れていなかったからであろう) 

ただし出現した状態を非常に低コストで維持できるスタンドはその限りではない。例えば4部に登場する、他者の罪悪感に錠前をくっつける「ザ・ロック」はその好例で、本体が眠っていても能力が維持される。

スタンドが傷つくと本体も傷つく

初出は3部6話「裁くのは誰だ!?」。スタンドを作り出す生命エネルギーは、「素」の状態では液体のように無定形で強度を持たない。そして強度の低いスタンドは大したパワーを発揮できない。

そこで多くのスタンドは「本体身体との対応」によって、生命エネルギーに強度と姿を与えている。この「つながり」があるために、スタンドが傷つくと本体も同じように傷ついてしまう。

また本体に身体的欠損があると、人型スタンドもその部分が作られない。5部で本体ポルナレフと同じように手足を失っていた「シルバーチャリオッツ」はこの好例である。

一方で「本体身体と対応していない」スタンドは本体にダメージを返さない。このタイプは「物質との融合」で強度と姿を得ているスタンドに多い。例えば4部に登場する、人間大の人形と融合したスタンド「サーフィス」は、バラバラに破壊されても本体にダメージを返すことはなかった。

スタンドはスタンドでしか倒せない

初出は3部10話「灰の塔」。生命エネルギーが塊となって作られているスタンドは、その強度と本体の意志力によって物質に作用できる。しかし物理的に存在しているわけではないスタンドは常に物質に作用できるわけではない。そしてそれはスタンドが銃弾を防ぐ事例でわかりやすく説明できる。

スタンドは銃弾が持つエネルギーに対抗できるだけのパワーを持つ場合は、銃弾をダメージなく弾き返せる。逆にスタンドのパワーが銃弾のエネルギーより弱い場合には、スタンドは銃弾を「すり抜けて」しまう。(例えば人型スタンドの場合「拳」は銃弾を弾けるが「胴体」ではすり抜ける) 

つまりスタンドは物質のエネルギーに負けても「透過する」だけでダメージを負うことはない。このためスタンドはスタンドでしか倒せないのである。

ただし「物質との融合」によって存在を維持しているタイプのスタンドは、物理的な攻撃でもダメージを受ける。5部に登場し、ガソリンの爆発で吹き飛んだ「ベイビィ・フェイス(子)」はこれに当たる。

スタンドは1人1体

初出は3部13話「銀の戦車 その3」。「シルバーチャリオッツ」が7体に分身した(ように見えた)ときに語られたこのルールは、正確には「1人のスタンド使いが出せる等身大の人型スタンドは1体」である。つまりこのルールは、スタープラチナやマジシャンズレッドのようなスタンドを2体3体と出すことはできないという意味である。

ただしこの正確な表現でのルールにも例外はある。5部に登場する「ベイビィ・フェイス」がそれであり、このスタンドは「親」となる本体のスタンドと人間の女性から「子」となる人型スタンドを生み出せる。

スタンド使いは水中でも会話できる

初出は3部16話「暗青の月 その3」。スタンド使いは前述したとおり、肉体に宿る魂にスタンドを見たり聞いたりできる知覚能力が与えられる。これに加えてスタンド使いの魂は「霊的な発声」も行えるようにもなる。これを使えばスタンド使い同士は、物理的に発声できない水中でも会話が可能となるわけである。

この原理上スタンド使いの霊的会話には「人型スタンド」は必要なく、それを持たないジョセフ・ジョースターでも問題なく会話できる。

スタンドは本体から離れるほどパワーが弱まる

初出は3部26話「黄の節制 その4」。本体から出現するスタンドは、本体から全方向に放射される生命エネルギーを一箇所に集めて作られている。そして全方向に放射される生命エネルギーは、電球の光と同じく放射源から離れるほどにパワーが弱まる。

このため、本体の直近で生命エネルギーを集中すれば強力なスタンドを作れるが、何10mも離れた場所で生命エネルギーを集中しても弱いスタンドしか作れない。これがこのルールの理由である。

ただこのルールはさまざまな手段で回避可能である。例えば「ハイエロファントグリーン」は触手を「エネルギー伝達ケーブル」として利用することで、遠く離れてもパワーの低下を抑えられる。また4部の「レッド・ホット・チリ・ペッパー」は、本体から遠く離れた場所でもそこにある「電力」を使ってパワフルに活動できる。

■以上、現在書けるものをひととおり。作中で示されている他のルールについては後々書き足していく予定。

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