【パワー増加法】

スタンド体が本来持つパワーを増加できる手法。また、増加分のパワーをスタンド体の射程に回せば間接的に射程の増加法にもなる。

単化

複雑に組織化して折り畳まれた状態にある生命エネルギーを、広げて単純化することで膨大なエネルギーへと変えるパワー増加法。「基本スタンド体」にのみ適用される。本体の化身である「基本スタンド体」の本来の姿は「本体の肉体の写し身」、つまり「人型」である。そしてその人型スタンドは「肉体1つ分のスタンドパワー」を持つことになる。「人体」は非常に高い「複雑性」を有している。その「筋肉組織」は複雑に入り組むからこそ複雑且つ精密な動作を可能にし、目や耳などの「感覚器官」もその構造が複雑であるからこそ、光や音を鋭敏且つ微細に感じ取ることができる。そしてその「写し身」である人型スタンドも当然、これらの「複雑性」を有することになる。

「基本スタンド体」のうち、「物質基盤体」と「能力基盤体」はその融合物質や能力に応じてさまざまな「姿」を持ち得るが、その姿は必ずしも「人体」と同等の「複雑性」を必要とするわけではない。このとき不必要分の複雑性は「解体」され、基本スタンド体の本来のパワー量である「肉体1つ分のスタンドパワー」を何倍にも「増幅」させる働きをする。これが「単化」である。「単化」に該当する条件としては、「人型だが全身を備えない」「形態が人型に比べて単純である」「形態の複雑さを融合物質に依存している」「感覚器官の一部または全てを備えない」「人体本来の感覚器官に比べて単純な感覚器官(探知能力)しか持たない」などが考えられる。

「単化」によるスタンドパワーの増幅効果は非常に大きく、人型スタンドの持つ複雑性を全て解体し完全に純粋なエネルギーへと変えた場合、そのパワー量は人型スタンドの100倍とも思えるほどになる(これは裏を返せば人体がそれほどまでに複雑だということであろう)。だが、これによって何倍にも増幅されたスタンドパワーはそのままでは利用することができない。なぜなら本体が「制御」できるパワー量を超えてしまっているからである。この解決策は2つ、1つは何らかの「エネルギー制御法」をスタンド体に与えること、もう1つはスタンド体の「射程を増加」させてそのパワーを制御可能な量まで減衰させることである(もちろん後者の場合、そのスタンド体のパワーは同射程の「単化」されていないスタンド体に比べ高くなる)。なお、個々のスタンドによって「単化」の度合はまちまちであるため、その分類は大雑把に行うしかない。「射程」によって分類するのが最も適切と思われるので、以下のように分類する。

単化超力近射程

極度に「単化」させたスタンド体に「エネルギー制御法」を与えた近射程タイプ。異常なまでに高いパワーを発揮する。

→物質融合型超パワースタンド『ストレングス』、純粋エネルギー型超パワースタンド『サン』、以上2体。

単化維持力中射程

そこそこの「単化」によるパワー増加を射程増加で減衰させた中射程タイプ。かなりの射程とパワーを持つのが普通で、主に「能力戦闘体」が該当する(例えばある「能力戦闘体」の手が「刃物」になっていたとした場合、攻撃力が上がると同時に手の形態が単純になり「複雑性」が減るため)。

→ラジコン大の戦闘機型スタンド『エアロスミス』など。

単化維持力超射程

極度の「単化」によるパワー増加を極度の射程増加で減衰させた超射程タイプ。通常「極長射程」と「パワー」を両立したい場合には、これとは別の手法(「パワー分離」や「操作分離」など)が使われることが多いため、かなり珍しいタイプといえる。

→本体の超聴力を利用して数km先の敵を手探りで攻撃する片手だけのスタンド『ゲブ神』1体のみ。