アクア・ネックレス AQUA NECKLACE:水の首かざり
本体名:片桐安十郎 <カタギリ・アンジュウロウ>
凶悪犯罪者、通称「アンジェロ」、IQ160
能力:水や水蒸気を伝わって移動し、人間を体内から破壊する
スタンド形成法 | 射程距離 | パワー |
---|---|---|
無定形集合体 | 100m以内 | 低 |
スタンド解説
アクア・ネックレスは、ジョジョの奇妙な冒険第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する凶悪犯罪者、片桐安十郎のスタンドである。
このスタンドは「水」や「水蒸気」に混じってその中を移動できる能力を持つ。その姿は人型であり、未開の部族が被る仮面のような不気味な顔をしており、全身の体表面には「目」の形をした模様がたくさん付いている。
またその大きさは、混じる水の量や状態でかなり変化するが、基本的には頭部が5cmくらいとかなり小さい。また下半身部分は人型を取らずに無定形になっていることが多い。
本体の片桐安十郎は、日本の犯罪史上に残る最低最悪の殺人鬼であり、新聞などでは「アンジェロ」と呼ばれている。彼がそう育った理由は典型的な「自分への甘え」によるもの、自意識と社会との折り合いをつけようとせず、周囲が自分の思いどおりにならない責任を全て周囲に転嫁し、その恨みつらみを残虐行為で発散してきたからである。
そしてこのような「暴走しただけの弱い心」は本来なら、スタンド使いの資質としては下の下である。しかし4部から登場する「弓と矢」という道具は、このような者からもスタンドを引き出す力を持ち、そして彼は「弱さを攻撃に変えた」能力を得ることになる。
弓と矢でアンジェロから発現した人型スタンドは、「スタンドエネルギー単独」では非常に弱く、またその脆弱すぎるスタンド体は、全身がスライムのように柔らかく、他の物体への攻撃力がほとんどない。しかしこれらの性質は、「水」という自在に形を変える物質と非常に親和性が高く、水に溶け込むことでその存在力を借りることができる。これによってアクア・ネックレスは、やっと満足にスタンドとして活動できるようになる。
そしてアンジェロはこのスタンドを、自分が気に入らない「いい気になっている者」を殺害するために使う。その手段はこのスタンドを相手の肉体に侵入させ、体内から破壊することである。
水の中に溶け込んだアクア・ネックレスは、水を「通り道」として伝うことで本体から遠く離れることができる。例えば水道に入り込めば民家の台所やトイレに侵入でき、雨が降っていれば屋外を自由に動ける(その射程距離は100m以内といったところである)。さらにこのスタンドは、沸騰したヤカンなどから出る「水蒸気」を伝うことも可能である。
また水や水蒸気に溶け込んだアクア・ネックレスは、敵スタンドから殴られたりしても、形が一時的に崩れるだけでダメージを受けることはなく、当然本体も無傷である。
そしてこれらの特性を駆使して相手の体内に侵入したアクア・ネックレスは、そこからさらに肉体内の水分を伝って肉体内に微細な「根」を張り、しかる後に膨張することで人体を破壊できる。これは植物がアスファルトに根を張って亀裂を入れるのと同じく、パワーは必要ない。そしてこの攻撃を食らった相手は、血管や細胞が大量に破裂し、それが頭部内であれば即死する。
またその逆にアクア・ネックレスは、肉体内に張った根で肉体を内から引っ張り、「補強」することもできる。これは山地に生えた森林の根が土壌を補強して、土砂崩れを防ぐのと同じ理屈である。作中のエピソードで、絞首刑に処せられたアンジェロが20分間ロープに吊られたにもかかわらず死ななかったと語られているが、それはこの能力効果によるものである。
このようにアクア・ネックレスは、肉体内の水分を伝うことで擬似的にパワーを発揮できる。しかし逆にこのスタンドは、「水分を全く通さない」ガラスやゴム手袋などには完全に無力であり、それらの内部に閉じ込められれば自力での脱出は不可能となる。またこれらに捕えられた状態でそれを振り回された場合、スタンドにダメージはないが、逃げ場のない衝撃は本体に伝わってしまう。
なお水に溶け込んだアクア・ネックレスの形状は、半ば水の形状に従い、半ばスタンドの形状に水を固めてもいる。そして後者の性質を使って本体が集中すれば、水を本体が望んだとおりの形状に固めることも可能である。作中ではこれを使い、無地のガラス瓶の内壁に固めた水を貼り付かせ、ブランデーのラベルのように見せかけている。
またアクア・ネックレスは他者の脳の辺りに侵入することで、相手の精神を自分の精神で汚染して操り、犯罪に駆り立てることもできる。作中でアンジェロはこの能力を使い、一般人にコンビニ強盗をさせていた。ただしこれはおそらく善良な者には効かず、アンジェロと同じ「社会への鬱屈した感情」がある程度以上なければ効果を発揮しないと思われる。
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