プラネット・ウェイブス PLANET WAVES

2023/02/09改訂

本体名:ヴィヴァーノ・ウエストウッド

懲罰房棟の看守、プロフィールJC70(7)巻P148

能力:地球に衝突してくる隕石を自分に引き寄せる

スタンド形成法射程距離パワー
身体・能力加形体 2m

当ページの要点

  • ジョジョ6部の主舞台であるグリーン・ドルフィン刑務所には特殊な力が宿っている。
  • それはこの土地の重力の弱さと罪人たちの魂のパワーによる「宇宙の縮図」としての力場である。
  • 筋肉ダルマである本体ウエストウッドはこの「宇宙の縮図」で、「地球」としてのスタンド能力を与えられる。
  • その能力は、本物の地球の大気圏に衝突してくる岩石を、自分にも引き寄せ衝突させることである。

スタンド解説

プラネット・ウェイブスは、ジョジョの奇妙な冒険第6部「ストーンオーシャン」の登場人物、ヴィヴァーノ・ウエストウッドのスタンドである。このスタンドは「ホワイトスネイクのDISC」で与えられたものであり、グリーン・ドルフィン島内でのみ効力を発揮できる。

看守ウエストウッド

グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所は、外界から隔離された環境のなか、強い魂のパワーを持つ罪人たちが集う場所であり、また地球上で最も引力が弱く宇宙に近いケープ・カナベラルの一帯に位置する場所でもある。このためこの島は、神秘と力を宿し「宇宙の縮図」としての力場を発生させている(ちなみにこの刑務所は別名「水族館」とも呼ばれ、これは即ち「海の縮図」である)。

そしてこの刑務所の懲罰房棟看守にして、幅の広い骨格を厚い筋肉で覆った屈強な肉体を持つ本体ウエストウッドは、この「宇宙の縮図」の中において、球体の核を厚いマントルで覆った地球と相似して、「地球の縮図」としてのスタンド能力を与えられる(またウエストウッドは肉体だけでなく精神的にも、動物が体表を荒らすノミを嫌うように、もしも地球に心があったなら地表を我が物顔で荒らす人間を嫌うであろうように、社会を荒らしてこの刑務所に入れられた囚人たちを嫌っている)。

そのスタンドの姿は基本的には人間型だが、大陸プレートを模したような平板な筋肉は、人体とは異なる入り組み方をしている。また、筋肉の薄い頭頂部にはマグマ溜まりのようなコブが露出し、さらにそこからは火山の噴火口のような短い管が出ている。

プラネット・ウェイブス
プラネット・ウェイブスの異質な筋肉構造

そして、本物の地球がその内部に莫大なパワーを宿し、地表では風や波が圧倒的なパワーでうねりつつも、地球全体として見れば宇宙空間内に静かにたたずんでいるように、このスタンドも(異質な筋肉構造のせいもあろうが)強大なパワーを宿しつつもほとんど動くことは無く、敵を殴ったりといった直接的な攻撃を行うことはない。

プラネット・ウェイブスの能力の真価は、宇宙空間から本物の地球へと衝突してくる岩石を、「地球の縮図」である自らの肉体にも衝突させる、つまり大気圏上層から地表上の自分がいる場所まで、「隕石」として引き寄せることにある。


作中での解説によると、地球の回転軌道上には岩石や塵が無数に漂っており、その中を移動する地球には、これら岩石や塵が毎秒平均400個の割合で衝突してきている。そしてそれら岩石のほとんどは、地球大気に対してまっすぐ突入し過ぎて大気圧縮熱で燃え尽きてしまうか、逆に斜めに突入し過ぎて水切り石のように大気にはじかれてしまうか、どちらかの運命を辿る。

しかし、岩石が地球大気にはじかれないギリギリの角度で突入すれば、岩石は大気の深くへ緩やかに潜り込んでいき、大気圧縮熱も最低限に抑えられるため、燃え尽ききらずに地表まで到達できる可能性がある。作中ではこの突入角度は大気の水平面に対して6.5度±0.9度とされ、それは地球を人の頭に例えて「髪の毛一本ほどの狭い回廊」と称されている。

髪の毛一本ほどの狭い回廊

プラネット・ウェイブスは「本物の地球地表上にある地球の縮図」という能力の性質により、本来なら大気圏内で燃え尽きる運命にある岩石の「因果」を操り、「地球の縮図」である自らの肉体に引き寄せることができる。これにより岩石は、まるで見えない因果の糸に引っ張られ、見えない因果の道筋をなぞるかのように、「髪の毛一本ほどの狭い回廊」を通り抜け、空気抵抗に揺さぶられ蛇行しつつも、さらには地上近くで建造物の天井や壁などの障害物にぶつかり軌道が変わろうとも、必ずウエストウッドの肉体へと辿り着く。

そして「地球の縮図」の大気圏、即ちウエストウッドの体表ギリギリまで到達した時点で、隕石をここまで運んできた因果は解消され、岩石は本来辿るべき運命に従い燃え尽き消滅する。そしてこの時には本物の地球の地表と同じくウエストウッドの体表にも、隕石の破片はおろか、熱すらも届くことは無い。

ウエストウッドの直前で燃え尽きる隕石

隕石はウエストウッドの意識的・無意識的な呼びかけに応じて彼の望む方向から飛来し、これによりプラネット・ウェイブスは敵が軌道上に重なるように隕石を飛来させ、攻撃を行う。3000度の大気圧縮熱で燃えさかり超高速で落下してくる隕石は、軌道上の敵の肉体を障子紙に焼きごてを当てるように難無く貫き、次の瞬間にはウエストウッドの体表で燃え尽きる。このためウエストウッドと向かい合った状態で背後から隕石に貫かれた敵には、自分がどう攻撃されたかを理解するのは困難である。

なお、一般的に地球大気と宇宙空間の境界として扱われる100kmの高度から、地表まで隕石が到達するには、200秒前後の時間がかかるらしい。このことからプラネット・ウェイブスの隕石攻撃は、能力発動時からとにかく隕石を呼べるだけ呼び、それらを本体到達の数秒くらい前までに、空気抵抗による蛇行などを利用して本体への突入方向を決定していると考えられる。このため、隕石で確実に敵の肉体の中心を貫くには、何らかの方法で敵の移動や動作を封じておくか、あるいは数秒後に敵が移動しているであろう位置を予測しておく必要がある。

ちなみに作中での隕石の飛来ペースは、数秒〜10数秒に1回の頻度である。また、隕石の大きさはほとんどが10cm未満だが、最大で40〜50cmのものも飛来させている。さらに、10cm未満の隕石が同じタイミングで2〜3個飛来していたりもするが、これは1個の大きな隕石が落下中に燃えて砕けて分裂しただけであろう。

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