小ネタ置き場
1ページを割くほどでもない小考察の置き場です。
エイジャの赤石のデザイン
スーパー・エイジャの外観は、ジョジョ3部のザ・ワールドのマスクと同じく、『生命の樹』下部の「塔」から「世界」までのパスが構成する図形によく似ている。そう考えた場合、赤石から光線が撃ち出される中心は「アトゥム(イェソド)」のセフィラの場所となる。
そしてアトゥムに繋がる2本のパスが「太陽」と「星」であることを踏まえると、赤石についてカーズが語った「太陽の光を浄化する」(JC7巻P166)というセリフはなかなかに意味深である。
アヴドゥルの髪型
一見特異なアヴドゥルの髪型はその実「タロット占い師」である彼に相応しいものである。タロットとは「万物照応」的な考えの1つであり、この世のあらゆる物事を22のパターンに分けたものである。それを表すかのように彼の髪型は、10万本あるとされる頭髪を20個前後の「髷(まげ)」に結っているわけである。
なおこの髷はアヴドゥルが3部後半で再登場した時には、描写が簡略化されて10個ほどに減っている。しかし3部はその後間もなく「エジプト9栄神」編に入るため、それはそれで数が合っている。
花京院の当て身
人間の首の後ろを叩いて気絶させる「当て身」なる技は、漫画などでよく使われるが実際はこの方法で体にダメージを与えずに気を失わせるのは不可能とされている。
花京院典明は3部序盤で当て身を使って老人を気絶させているが、これはたぶん彼のスタンド『ハイエロファントグリーン』を利用している。ハイエロファントは人間の体内に入り込むことでその人間を興奮させて凶暴化できる。花京院はこれを応用して、極度な興奮状態にある人間にさらにハイエロファントのエネルギーを流し込むことで、糸が切れたかのように相手を気絶させられるのである。
一方で当て身された老人は実は敵スタンド使いで、気絶などしていなかった。彼が気絶しなかった理由は、彼のパニック状態が演技だったこと、スタンド使いは一般人よりスタンド攻撃への抵抗力が高いこと、彼のスタンド『タワーオブグレー』の暗示である「塔のタロット」が「不安定な状態に耐える」という解釈を持つことなどが挙げられる。
オインゴと帽子の関係
当サイトで用いている『生命の樹』の解釈では、「クヌム」は生命の樹の中心に位置するセフィラである。そしてこのセフィラには他の8つのセフィラ全てからパスが繋がり、放射状の線を描いている。
クヌム神のスタンド使いオインゴは帽子をかぶっており、野球帽に似たそれは真上から見ると、天ボタンから布の合わせ目が放射状に伸びている。これは図像的にクヌムのスタンド使いにふさわしいものである。
ダービー兄とザ・ワールドの能力
当サイトで用いている『生命の樹』の解釈では、「世界」のパスが向かう先には「オシリス」のセフィラがある。この観点からすれば、オシリス神のスタンド使いであるダービー兄が、DIOのザ・ワールドの能力の正体を知っていたのは運命的必然といえる。
イギーVSペット・ショップの展開
当サイトで用いている『生命の樹』の解釈では、「愚者」のパスが向かう先には「ホルス」のセフィラがある。この観点からすれば、この2つを暗示するイギーとペット・ショップが戦った時に、「イギーが逃げた先にペット・ショップが先回りしている」という展開が繰り返されたのは運命的必然といえる。
ヴァニラ・アイスの服装
ズボンを履いていないがゆえに変態的とも言われるヴァニラ・アイスの格好は、おそらく「暗黒空間」への対処の結果である。一部のスタンド能力は、人間の衣服や所持品を「その人間の一部」とみなす性質がある。ただその効果は体表から遠ざかるにつれ弱まり、また上半身と下半身ではその人間の意識が強く向けられる上半身のほうが強くなる。
ヴァニラ・アイスのスタンド『クリーム』が作り出す暗黒空間は、ヴァニラ・アイスの衣服を「本体の一部」とみなし破砕しない。しかしその判定はかなり厳しく、特に下半身では体表から1〜2cmも離れると対象外になる。つまり普通のズボンだと暗黒空間に入った時にあちこち消し飛んでしまうわけである。このためヴァニラ・アイスは最初からズボンを履いていない。
ただ上着から腿の裏側に垂れ下がる布だけはしばらく無事だったという謎があるが、これも戦いの最後の辺りでは消し飛んでいたようである。
虹村形兆VS東方仗助の展開
アメリカ軍の兵器・兵装をミニチュア軍隊として作り出すスタンド『バッド・カンパニー』の本体虹村形兆は、自らのスタンドを「チェスの駒」のように操って戦う。彼は東方仗助との戦いでも、敵の駒を奪うかのように『クレイジー・D』の手足を破壊し、悠々とチェックメイトをかける。
しかし実は仗助はすでに、破壊したバッド・カンパニーのミサイルを直して形兆を攻撃させる手はずを終えており、形兆は逆転敗北する。これはつまり、仗助は「取った駒を使える将棋ルールで王手をかけていた」ということである。
バイツァ・ダストに伴う吉良の髪型の変化
吉良吉影(川尻浩作)は『バイツァ・ダスト』の獲得に併せて「髪型と髪色」が明白に変化している。この最大の理由はおそらく「読者向けの演出」である。吉良が「第3の爆弾能力」を獲得してから、その恐るべき力が作中で実際に示されるまでは2話ほど(ジャンプ誌上では2週)間が空いてしまう。このため、強大な力を得たことを読者に示すとりあえずの「印」として、髪型が変わったのである。
ただこれに加えてこの髪型にはもう1つ意味がある。それは即ち「山岸由花子の逆」である。山岸由花子の髪型は黒髪に白いスジが描かれ、一方吉良は白髪に黒いスジが描かれている。そして由花子とそのスタンド「ラブ・デラックス」は、ここでは詳しく解説しないが「地母神」的な「愛情による豊穣」を司っている。
一方で吉良のバイツァ・ダストは大地の「破壊神」的な力と深く結びついている。これと前述した読者向けの演出が合わさった結果、吉良の髪型は作中のように変化したわけである。
そして以前に比べて激変したように見えるこの髪型は、妻の川尻しのぶが特に気にした風もないことから、ジョジョの作中世界では読者が見ているよりも地味な変化なのかもしれない。
ジョルノの前髪その他の象徴
ジョジョ5部には「ポルポの矢」以外で生まれたスタンドが3体登場する。ジョルノ・ジョバァーナの『ゴールド・エクスペリエンス』、トリッシュ・ウナの『スパイス・ガール』、スコリッピの『ローリング・ストーンズ』である。当サイトではこの3体は、神秘学で用いられる概念である「アイン・ソフ・オウル」「アイン・ソフ」「アイン」の3つに、それぞれ関係した能力を持っていると解釈している。
この3つの概念はそれぞれ、「000」「00」「0」という記号で表される。そしてこれら3〜1個の円形で表される記号は、それぞれに対応するスタンドまたは本体のデザインに隠されている。
まず「000(アイン・ソフ・オウル)」は、ジョルノの前髪の3つの輪に隠されている。次に「0(アイン)」は、1つの丸い石として出現するローリング・ストーンズの形として表されている。
最後に「00(アイン・ソフ)」はトリッシュorスパイス・ガールの……多分おっぱいだと思われる。ちなみに古代ギリシャの数学者ピタゴラスによると、奇数は男性的、偶数は女性的な数字だそうである。
ジョルノと康一の「さわやか」さ
「さわやか」という言葉は辞書によると「晴れ晴れ」「すっきり」「清々しい」などの意味があり、ジョジョ作中では億泰がトニオのレストランの水を飲んだ時などに使われている。
またこの「さわやか」という言葉はジョジョ作中で、一見不似合いな場でも2回使われている。1回は広瀬康一が小便を漏らしてしまい、落ち込み自虐しているさまを山岸由花子が評したとき。もう1回はジョルノ・ジョバァーナに荷物と金を盗まれた広瀬康一がジョルノを評したときである。
ここでの「さわやか」はつまりは、「恥じ入る立場にあるべき者から、それとは真逆の澄み切った心が感じ取れるさま」という意味で使われているのだろう。
「涙目のルカ」という運命に選ばれた兵士
「涙目のルカ」はジョジョ5部の2話目に登場し、その回のうちにジョルノの『ゴールド・E』が生み出したカエルの攻撃反射を食らって退場したチンピラである。彼はまごうことなき端役であるが、ジョルノに意図せぬ傷害事件を起こさせ、ギャング組織「パッショーネ」に関わらせたという点では、5部の物語で非常に重要な役割を担っている。
そしてその重要性ゆえか、ルカはまるで「運命にそうされた」かのように、「攻撃反射」の能力を象徴するかのような設定を持っている。
まずルカが持つ「スコップ」は、モグラの掘るトンネルが地上の2点を地中でつなげるように、攻撃反射が目に見える空間を飛び越えて発動されることを象徴している。
次にこのスコップに書かれた「SPQR」の文字はラテン語で「元老院とローマ人民」を意味し、ローマが独裁国家ではなく人民の声を尊重することを示している。これは言い換えれば強者の横暴が弱者の反乱を招かないようにするための国家形態である。そしてこのスコップで横暴にもか弱いカエルを叩き潰そうとしたルカは、カエルから反撃を食らったのである。
最後にルカが語った「友情の3つのU」というルカにだけ都合がいい理屈は、これもまた強者の横暴であり、そして「U」はこのような横暴がUターンして自分に返ってくるものであることを表している。
エンキ・ビラルと「魔術師」
千差万別なデザインを持つスタンドの中で、フランスのバンド・デシネ(漫画)作家であるエンキ・ビラルが描いたキャラクターに酷似したスタンドが2体存在する。3部の『マジシャンズレッド』と5部の『リトル・フィート』である。
マジシャンズレッドは知ってのとおり「魔術師」のタロットの暗示を持つスタンドである。そして当サイトの解釈では5部のスタンドもタロットに対応しており、リトル・フィートが対応するタロットもまた「魔術師」である。
タロットナンバー1である「魔術師」は『生命の樹』において、ある分野に入り込んだものが、その分野に適応して起こす最初の変化を暗示し、この時点ではそれはまだほとんど未加工の状態である。それを踏まえて考えると、エンキ・ビラルのキャラクターがジョジョの画風に変換されたかのようなこの2体のスタンドが、共に「魔術師」の暗示を持つのは道理といえる。
「輪切りのソルベ」の作り方
ソルベとジェラートはジョジョ5部に登場する暗殺チームの構成員であり、秘密のボスの正体を調べたがゆえにボスに処刑された。そしてその際にソルベの死体は、前衛美術品のような異様な姿にされている。
それはソルベの肉体を鋭利な刃物を使って、最初に足首、次に脛という順番で足元から約5cm刻みで頭部まで「輪切り」にして、その輪切りの1つ1つを長方形の薄いガラスケース36個に密封した姿である(なおガラスケースの中は死体防腐用のホルマリンで満たされている)。
一見するとかなり手間がかかりそうなこの姿は、ボスであるディアボロのスタンド『キング・クリムゾン』を使えば比較的簡単に作れる。
「時間を消し飛ばす」キング・クリムゾンの能力は、時間が消し飛ばされている間はディアボロ以外の全ての物体は「実体」を失う。ただ能力発動の前に他者の肉体を掴んでおけば、能力発動中も相手の肉体の実体を保ったまま、引っ張り動かすことができる。そしてこの肉体を、例えば実体を失っている板に「重ねて」能力を解除すると、実体を取り戻した板によって肉体が切断される。
つまり「輪切りのソルベ」はこの手法で、ガラスケースにソルベの肉体を足元から順番に突っ込んでいけば簡単に作れる。ちなみにこの際には、ガラスケース内のホルマリンは液体であるためソルベの肉体を切断したりすることはなく、むしろ一瞬で肉体内部まで浸透する。
ウェザーとプッチのキャラ造形
ジョジョ6部の序盤に登場し、終盤に入ってから双子だったと明かされるウェザー・リポートとプッチ神父は、それを踏まえて見ると顔の造形や目の色が同じである(目の色に関してはどういう理由か後にウェザーの方は変わってしまったが)。そしてそれ以外の肌の色や髪型などが全く違うのは、万が一にも読者に血縁者だと悟られないためであろう。
ところで刑務所内でのウェザーの頭は実際には帽子で、あの性格から考えて床屋に袖の下を払っていたとも思えない。つまり帽子の下は坊主であり、脱げばかなりプッチに似ているはずである。
悪魔の手のひらの峰の数
悪魔の手のひらが外縁部に作り出す峰の数が指と同じ「5」であることにもっともらしい理由をつけるなら、これは時間と空間の4つの次元に並行世界方向の次元を付け足したものといえる。
とりあえず思いついたものをひと通り。また何か思いついたらその都度加筆する予定。